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DX推進の味方!システム導入費用に使えるオススメ補助金5選

ヒロシ

大企業だけでなく、ウチみたいな中小企業にもDXの波が押し寄せてるっス…!!

カチョー

分かってはいるんだが、そもそもシステムの導入には費用がかかるんだよなぁ。

サクラ

このままじゃ取り残されちゃいます…。

ハカセ

ふぉっふぉっふぉっ。国や自治体には、DX推進に役立つシステム導入や業務効率化を目的とした補助金制度が存在するのじゃ。乗り遅れないためにも活用しない手はないぞ。

DX推進やデジタル技術の活用は、今や大企業だけではなく中小企業にとっても避けては通れない課題となっています。クラウド会計ソフトや予約管理、在庫管理、顧客管理など、様々なシステムを導入して効果的に活用していくことが必須です。しかし、資金的な余裕が多くない中小企業においては、「導入コストが高くて踏み出せない」という声も多く聞かれます。

実は、国や自治体ではシステム導入や業務効率化を目的とした補助金制度が数多く用意されています。この記事では、そんなシステム導入に使える代表的な補助金をわかりやすく紹介します。

目次

補助金を活用するメリットとは?

補助金は、国や自治体が企業の投資を後押しする「返済不要の資金」です。システム導入費用を対象として、いくつかの補助金制度を申請することが可能です。補助金を活用することで、

  • 初期費用の軽減(導入コストの1/2~3/4程度を補助)
  • ランニングコストの軽減(一部の補助金は保守費を計上可能)
  • DXや業務効率化が進み、生産性向上が図れ、利益率がアップ
  • 補助制度に採択されたことで、金融機関や取引先に対する信頼度アップ

といったメリットがあります。

システム導入費用を対象として申請できる、全国が対象の補助金一覧

経済産業省及び中小企業庁の制度である補助金は、従業員数や資本金の額などの要件を満たしている全国の企業、個人事業主が対象となります。補助制度の種類も豊富で、様々な設備投資に対する補助制度がありますので、申請の仕方や採択については、お近くの支援機関や中小企業診断士などに相談してみてください。

ここでは、システム導入費用が補助対象となる補助金についてご紹介します。なお、以下の一覧は本記事執筆時点(2025年10月)での情報となります。最新の情報は合わせてご確認ください。

①IT導入補助金(全国対象)

IT導入補助金は、パッケージシステムを導入する際に申請できる補助制度となっています。メーカーもしくは販売代理店(ITベンダー)と連携して申請する仕組みとなっており、ベンダー側で申請サポートをしてもらえるため、申請しやすい補助制度です。

IT導入補助金の補助内容は、補助率は1/2~4/5まで、補助額は最大で450万円と幅広く複数の条件に応じた制度が用意されています。

②ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(全国対象)

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む「革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」を行うための設備投資等を支援する目的の補助制度です。機械設備のほか、システム開発費や導入費用も計上できることから、社内の基幹システム構築などの大掛かりなシステム投資にもしんせいできます。

ものづくり補助金の補助内容は、補助率は中小企業が1/2・小規模事業者及び再生事業者が2/3となっており、補助額は従業員数によって上限が変わります。

従業員数補助金額の上限 ※下限はいずれも100万円
従業員数5人以下750万円
従業員数6~20人1,000万円
従業員数21~50人1,500万円
従業員数51人以上2,500万円

③中小企業省力化投資補助金(一般型)(全国対象)

中小企業等の売上拡大・生産性向上を後押しするため、人材不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等の人手不足の解消につながるデジタル投資費用の一部が補助されます。生産性向上を図り、賃上げにつながることが重要視される、システム導入費用などにもおすすめの補助制度です。

中小企業省力化投資補助金は、従業員数などの事業者の規模に応じて補助額と補助率が変わります。補助率は、中小企業・小規模事業者ともに、条件によって1/3~2/3で変動します。

従業員数補助金額の上限 ※下限はいずれも100万円
従業員数5人以下750万円(1,000万円)
従業員数6~20人1,500万円(2,000万円)
従業員数21~50人3,000万円(4,000万円)
従業員数51~100人5,000万円(6,500万円)
従業員数101人以上8,000万円(1億円)

④中小企業新事業進出補助金(全国対象)

中小企業新事業進出補助金は、既存の事業とは異なる、新事業・甲付加価値事業への進出にかかる設備投資等の中で、機械装置・システム構築費をメインで申請が可能です。新事業を行うための専用ソフトウエアである必要があることから、クラウド会計などのバックオフィス関係のシステムは対象外となりますが、業務に密接に関係する基幹システム構築費用が計上可能となっています。

中小企業新事業進出補助金の補助内容は、補助率は1/2で、補助額は従業員数によって上限が変わります。

従業員数補助金額
従業員数20人以下750万円~2,500万円(3,000万円)
従業員数21~50人750万円~4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人750万円~5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上750万円~7,000万円(9,000万円)

注意点として、本制度の基本要件に賃上げ要件が存在しており、補助事業終了後の3~5年の期間において年平均2.5%以上増加させること、などの要件があります。基本要件を満たせるかも含めて検討しましょう。

ヒロシ

給料があがるなら、やるしかないっスね!

ハカセ

現金なものじゃな。他にも、東京都なら次の補助金制度が受けられるチャンスがあるのじゃ。

システム導入費用を対象として申請できる東京都の事業者が対象の補助金一覧

これまでは国の補助制度を紹介していましたが、都道府県単位での補助制度も存在しています。特に東京都は様々な補助制度が存在しており、申請のチャンスも多く用意されていますので、計画的に挑戦してみてください。

①中小企業デジタルツール導入促進支援事業(東京都)

都内中小事業者を対象として、デジタルツール導入に係る経費の一部を補助してもらえる制度となっています。本制度は専門家によるフォローアップもセットとなっているため、社内に推進担当を独力で実施できる人材がいない場合でも支援してもらえる可能性があることがメリットになっています。

本補助制度の補助額は100万円、補助率は1/2となっています。金額はこれまで紹介した補助制度より小さくなっていますが、クラウドツールの導入やまずは小額投資を検討したい領域において申請しやすい制度になっています。

②創業助成金(東京都)

東京都内で創業予定者、もしくは創業5年未満の事業者が対象となる、創業者向けの支援制度です。例年、4月と10月の年2回募集されていますが、申請要件を満たすには事前の準備が必要なケースがあります。半年スパンで計画を立てて、支援機関に相談をしながら進めてください。

東京都の創業助成金は、補助額上限は400万円、補助率2/3となっています。広告費も補助対象の他、家賃や人件費まで補助対象となり得る非常に使い勝手のいい補助制度となっています。

ただし、創業者向けの補助金であることから、システム導入に多額の費用を創業期に投資することが最適か、というビジネス・経営的な観点において、システム導入費用を対象として本制度を申請することが良いかは一考の余地があると考えられます。

③事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(東京都)

2025年度に東京都で公募されている「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」は、小規模事業者向けアシストコースと一般コースの2形式で募集されています。いずれも年内に複数回の申請締め切りがあることから、スケジュールを合わせて申請しやすい使い勝手の良いものとなっています。

補助率と補助額はそれぞれ異なっており、小規模事業者向けアシストコースは補助額最大200万円、補助率は2/3もしくは賃上げを実施して4/5、一般コースは補助額800万円、補助率は2/3もしくは賃上げを実施して3/4(小規模事業者は4/5)となっています。

まとめ:システム導入は補助金活用が狙いやすいので是非検討しよう!

システム導入を経営的に推進することは、新規事業を実施する上でデジタル技術を活用することは必要不可欠な現代において重要な要素となっています。ですが、システム導入費用は多額の投資となりやすく、失敗してしまうと経営に対して大きな影響を与えるでしょう。リスクを小さくし、成功率を高めるためにも、ぜひ補助金の活用を検討してくださいね。

シャチョー

費用の目処も立ちそうだし、我が社もDXの波に一番乗りだ!

ハカセ

制度をうまく利用して、変化に順応していく意識が大切じゃ。

高仲 秀寿のアバター 高仲 秀寿 中小企業診断士

TenCy株式会社 代表取締役 / 中小企業診断士
富士フイルム株式会社に約8年勤務し、システム開発・プロジェクトマネジメント等を経験。2016 年に中小企業診断士資格を取得し、独立。2020年現職のTenCy株式会社を設立し、代表に就任。以降、中小企業のホームページ制作やチラシ・グラフィックデザイン制作、システム開発導入支援、kintone運用支援等を実施。中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー。

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