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成果爆上がり!?強い組織に共通する「心理的安全性」の高さ

ヒロシ

カチョー、“心理的安全性”って最近よく聞くんですけど…結局“みんな優しくしようキャンペーン”みたいな話なんスか?

カチョー

違う違う。優しくするだけで組織が強くなるなら苦労しないよ。もっと“意見や報告がしやすくなる土台”みたいな話だ。

ハカセ

うむ。新人が育たん、報告が遅い、提案が出ない…こういう問題の多くは“空気”に原因があるのじゃ。心理的安全性は、その空気を整える技術と言ってよい。

「心理的安全性」という言葉は、一見すると抽象的で、どこかふわっとした印象を持たれがちです。経営者の方からもよく、「最近よく聞くけど、要するに“優しさ”の話?」「ウチの会社でそんな余裕あるかな?」といった声を耳にします。しかし実際には、この概念は“優しさ”とは全く別物です。むしろ、強い組織をつくるために必要な“土台” のようなものです。

・新人が育たない
・ベテランに仕事が偏る
・ミスが起きても報告が遅い
・改善提案が出てこない
・離職者がじわじわ増える

こうした中小企業で頻発する課題の多くは、実は“心理的安全性の不足”に根っこがあります。社員が「これは言っても大丈夫だろうか?」と迷う瞬間が多い会社は、問題が表面化せず、改善も遅れがちです。逆に、気づいたことを自然と共有できるチームは、些細なトラブルであっても早めに対処でき、生産性が落ちにくい。つまり心理的安全性とは、派手な人事施策ではなく、日常のコミュニケーションの質を左右し、会社の成長スピードに直結する“経営的テーマ” なのです。

目次

心理的安全性とは何か?

心理的安全性という言葉は、ときに「優しくすること」「社員を叱らないこと」と混同されます。しかし実際の意味は、もっと深く、もっと実務的です。心理的安全性とは、「自分の思ったことを言ったり、質問したり、ミスを報告しても、対人関係のリスクを感じずにいられる状態」のことです。つまり社員が、「否定されたり、笑われたり、評価を下げられたりしないだろうか?」という不安を抱かずに、素直に行動できる状態。決して“叱らない組織をつくる”という話ではありません。必要な指導は必要ですし、改善のための指摘は不可欠です。

しかし、心理的安全性のある会社には“前提”があります。それは、「意見する場に立つこと自体は歓迎される」という空気です。言い換えるなら、“意見の内容”よりも、“意見した姿勢そのもの”を評価する文化です。このような文化があると、社員の行動は自然と前向きになります。質問も提案もミス報告も、会社のためにする“価値ある行動”として扱われるからです。中小企業において、こうした“声をあげやすい空気”こそが、組織の成長スピードを大きく左右します。

心理的安全性が低い会社で起こる問題

心理的安全性が欠けた組織では、社員は必要最低限の行動しかしなくなります。なぜなら「余計なことを言うと、損をする」という空気があるからです。ひとつ例を挙げると、新人が「質問しづらい」と感じている会社では、わからないまま仕事を進めてしまい、かえってミスが増えます。そしてミスをした時も「怒られるかもしれない」と感じてしまい、報告が遅れます。その結果、問題は小さいうちに対処できず、大きくなってからようやく表面化します。また、心理的安全性が低い会社には、ベテラン社員に仕事が集中するという特徴があります。若手や中堅が相談しづらいため、「結局、あの人に聞いたほうが早い」という空気になり、業務が偏るのです。

さらに重大なのは、誰も会社の問題点を共有しなくなること。例えば、現場から見れば危ない作業があっても、「言ってもどうせ変わらない」「また怒られるだけだ」と感じて、声が上がらなくなります。これは経営者にとって大きなリスクです。声が上がらない会社は、問題が蓄積しやすく、気づいた時には手遅れになります。心理的安全性が低い会社は、静かだが危険な会社なのです。

心理的安全性が高いと、なぜ生産性が上がるのか?

心理的安全性の高さは、生産性に直結します。その理由はいくつかありますが、特に重要なのは次の3点です。

1. アイデアが出る組織は、心理的安全性が高い

人は、不安があると自由な発想ができません。「否定されるかも」「評価が下がるかも」と思った瞬間、脳はブレーキをかけます。逆に“安心して意見が言える”組織では、若手からも改善提案が自然に出ます。これはどんなツールや制度よりも、組織の成長を早めます。

2. ミスが“早く”出てくる組織は強い

ミスは隠された瞬間、リスクになります。しかし心理的安全性の高い会社では、「早く報告すれば怒られない。むしろ感謝される」という空気があります。そのため、ミスは小さいうちに共有され、被害は最小限に抑えられます。

3. 主体性と連携が自然と育つ

心理的安全性があると、社員同士の会話量そのものが増えます。会話が増えると、自然に助け合いが増え、連携がスムーズになり、責任感も育つ。これは教育制度より効果が出ることも多いです。

ヒロシ

うっ……。カチョー、実は昨日のデータ、AIが幻覚(ハルシネーション)見てて数値がズレてたかも……。いや、でも今言ったら怒られるしなぁ……。

サクラ

あ、その件なら私が直しておきましたよ! ついでにヒロシ先輩がコッソリ書いてた「始末書の下書き」も削除しておきましたっ!

ヒロシ

ええっ!? 全部バレてる!?

カチョー

なんだ、そうだったのか。ヒロシ、隠すより即・解決するほうがずっと大事だぞ。……で、始末書書くほどのミスだったのか?(ギロリ)

中小企業が心理的安全性を高めるための実践方法

心理的安全性は、今日からでもつくれます!それは人事制度を変えるような大きな改革ではなく、日々の積み重ねが肝心です。

1. 経営者・管理職がまず“否定しない”

会議でも相談でも、最初の一言はとても重要です。「いや、それは…」から始まると、どれだけ良い案があっても社員は失速します。大切なのは、「言ってくれてありがとう」という姿勢を示すことです。

2. ミスを“人”ではなく“仕組み”で考える

ミスは誰か一人を責めても解決しません。仕組みの穴をふさぐことが、最も再発防止につながります。

3. 全員が発言しやすい会議にする

先に若手から発言させる、順番に一言ずつ話す時間を作るなど、“発言しないといけない仕組み”を作ると、自然と参加度が高まります。

4. 上司が「わからない」と言える組織は強い

管理職がミスや弱みをさらけ出せると、部下との距離が一気に縮まります。「上司も完璧じゃない」とわかれば、部下は質問しやすくなるのです。

5. 挑戦・提案を評価の対象にする

心理的安全性は、評価制度とつながって初めて定着します。“挑戦したこと自体が価値”だと会社が明確に示すことが重要です。

心理的安全性が高まった企業で起こる変化

心理的安全性が整うと、会社にはさまざまな好循環が生まれます。離職率が下がり、新人が質問しやすくなり、ベテランへの業務の偏りが軽減される。そして何より、“問題の早期発見・早期改善”が可能になります。また、提案が自然に出てくる会社は、改善のスピードが速く、経営者の判断材料も増えます。結果として、会社の「意思決定の質」が上がり、事業の成功確率が高まります。心理的安全性は、中小企業にこそ必要な“経営インフラ”です。

まとめ

心理的安全性は、会社を“優しくする”ためのものではありません。会社を“強くする”ための基盤です。

・離職率の低下
・新人育成の加速
・提案が出る文化
・ミスの早期発見
・チームの連携強化
・経営判断のスピード向上

これらはすべて心理的安全性と深く関係しています。そして、心理的安全性はどんな会社でも、今日から始められます。社員が「言っても大丈夫」と思える瞬間を積み重ねることで、組織は確実に変わっていきます。

カチョー

やっぱり報告や提案が自然に出てくる会社って、心理的安全性が整ってるんだな。

ヒロシ

ですね!ミスも早く言いやすいし、たぶん僕のミスも半分くらいで済むはず!

シャチョー

よし、まずは“否定しない会議”からやってみよう!会社の空気、変えていくぞ!

高仲 秀寿のアバター 高仲 秀寿 中小企業診断士

TenCy株式会社 代表取締役 / 中小企業診断士
富士フイルム株式会社に約8年勤務し、システム開発・プロジェクトマネジメント等を経験。2016 年に中小企業診断士資格を取得し、独立。2020年現職のTenCy株式会社を設立し、代表に就任。以降、中小企業のホームページ制作やチラシ・グラフィックデザイン制作、システム開発導入支援、kintone運用支援等を実施。中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー。

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