カチョー社長からは明日までに市場調査しろって言われるし、会議資料まだできてないし。それに先週のメールも見つからん……もう、私の手は2本しかないんだぞ!



カチョー、落ち着いてくださいよ。それ、全部自分でやろうとするからパンクするんですよ。Googleの『Gemini』使えばいいじゃないスか。僕の『AI秘書』っスよ。



ジェミニ? 星座の話か? 私は今、星占いをしてる暇はないんだ!
違いますって! Googleの生成AIですよ。ウチみたいにGoogle Workspaceを使ってる会社なら使いやすいです。これを見れば、カチョーも定時で帰れますよ?
「AI秘書を雇ってみた」シリーズの第2弾はGoogleが提供する生成AI「Gemini(ジェミニ)」です。11月19日にGemini3 Proが発表されたばかり。本記事のアイキャッチ画像も、本文の内容を参考にGemin3 Pro(Nano Banana Pro)に作ってもらいました。


多くの企業がすでに導入しているGoogle Workspace(Gmail、Googleドキュメント、Googleドライブなど)と連携できる点が、Geminiの最大の特徴です。わざわざ新しいシステムを入れなくても、普段使っているツールの中で「AI秘書」が働いてくれるんです。
本記事では、ChatGPTとの違いを明確にしながら、Geminiを「AI秘書」として活用し、中小企業の現場でどのように業務を効率化できるのか、具体的な事例を交えて解説します。
※ただし、他のGoogleサービスとフル連携するには、Google AI Pro(個人利用の場合)、Google Workspaceのスタンダードプラン以上が必要です(2025年11月27日時点)。
徹底比較:ChatGPTにはなくて、Geminiにあるもの
まず、決定的な違いを整理しましょう。「文章を作る」という基本能力はどちらも高いですが、「自社のデータにどうアクセスするか」で大きな差が出ます。
| 特徴 | ChatGPT (OpenAI) | Gemini (Google) |
|---|---|---|
| 得意なこと | 複雑な創作、会話、プログラミング | Googleアプリ操作、最新情報の検索 |
| メール作成 | 作った文をコピーしてメールソフトへ貼り付け | Gmail画面内で下書き作成・挿入まで完結 |
| ファイル参照 | ファイルを都度アップロードする必要あり | Googleドライブ内のファイルを直接探しに行ける |
| 資料作成 | アップロードしたファイルに基づき、画像生成など行う | Googleスライドと連携し、画像生成やスライド化を支援 |
| 情報の鮮度 | 学習データに基づく(検索機能もあるが限定的) | Google検索と連動し、リアルタイム情報に強い |
つまり、「つまり、Gmailを開いたまま、Googleドキュメントを見ながら、わざわざ別のタブやアプリに切り替えることなくAIが使える」のがGeminiの最大の強みです。
Geminiを「AI秘書」にする具体的な活用事例
ここでは、GoogleのGeminiだからこそ実現できる、実践的な活用ケースを4つご紹介します。ChatGPTとの大きな違いは、「Googleの最新検索データにアクセスできること」と「Google Workspace内の情報を参照できること」です。
事例1:最新情報を元にした「市場調査・競合分析」
GeminiはGoogle検索と連動しているため、リアルタイムの情報に非常に強いという特性があります。
※ChatGPTも有料版であればリアルタイム検索に近いことができます
活用シーン
自社がECサイトを運営しており、競合他社の最新の販売価格設定、キャンペーン情報、顧客レビューの傾向をリアルタイムで把握し、自社の価格戦略やサービス改善に活かしたい場合
プロンプト(指示)例
Google検索を利用して、現在(直近一週間)の競合A社、B社、C社の主力商品Xの販売価格、実施中のキャンペーン(送料含む)、そしてSNS上での顧客レビューの傾向を調査してください。それらを比較した表を作成し、自社が価格戦略で優位に立つための具体的な提案を3点挙げてください
Geminiの回答イメージ
Geminiは、Google検索の結果を引用元として明記しながら、各社の公式サイトやニュース、関連するSNS情報などをリアルタイムで収集・整理します。
・各社の現在の価格と期間限定キャンペーンをまとめた比較表を出力します。
・「A社は価格競争力があるが、B社はレビューで『梱包の丁寧さ』が高評価を得ている」といった、定性的な市場の傾向まで分析します。
・この分析に基づき、「価格競争を避け、『迅速な配送』を強みとして打ち出すべき」など、具体的な戦略を提案します。
自分で各社のサイトやSNSを巡回し、情報を比較検討する手間がなくなり、「今、市場で何が起きているか」を瞬時に把握できます。これは、スピードが命の市場調査において、Geminiのリアルタイム検索能力が最も生きるケースです。



ヒロシ、欲しかったのはこれだよ、これ。助かった。
情報ソース元を確認できるのも安心材料ですね。
事例2:散らばった社内ドキュメントの「要約・情報抽出」
これがGemini(特にGemini for Google Workspace)の真骨頂です。Googleドライブに保存されている膨大な資料の中から、必要な情報を瞬時に探し出し、要約させることができます。
活用シーン
「あのプロジェクトの件、過去の議事録のどこに書いてあったっけ?」と探す時間をゼロにする。
プロンプト(指示)例
Googleドライブ内の『2025年度_販売促進会議』というフォルダにある議事録から、A社に関する決定事項と未決事項だけを抽出して箇条書きで教えて。
Geminiの回答イメージ
ドライブ内の該当ファイルをスキャンし、以下のように回答します。
決定事項: 11月よりA社向け新プランのテスト運用を開始する(担当:鈴木)。
未決事項: 年間の割引率については、次回の役員会議で再検討する。
人間の秘書に「あの書類探しておいて」と頼む感覚で利用できます。ファイルを開いて中身を確認する手間が一切なくなります。
事例3:メール対応の自動化と「下書き作成」
Gmailと連携させることで、大量のメール処理を効率化できます。
活用シーン
クレーム対応や、複雑な問い合わせへの返信案を作成する。
プロンプト(指示)例
先ほど受信したB様からの『納期遅延に関する問い合わせ』メールに対して、丁寧なお詫びと、代替案として『来週火曜日の納品であれば可能』という旨を伝える返信メールの下書きを作成してください。文面は誠実さを重視してください
Geminiの回答イメージ
Gmailの画面上で、そのまま送信可能なレベルの下書きが生成されます。担当者は内容を微調整して送信ボタンを押すだけです。
「どう書けば失礼がないか」と悩む時間を削減し、精神的な負担も軽減します。ベテラン社員の対応品質を、若手社員でも再現できるようになります。
ChatGPTの時との違いは、「コピペをする必要があるか、ないか」です。ChatGPTでも同様に文面を作ってくれますが、コピペをしなければいけないのが地味に手間、、、。その点、アプリ間連携ができるGeminiは都合が良いです。
事例4:【マルチモーダル活用】競合チラシ・商品棚を「目で見て」分析
マルチモーダルとは複数の種類の情報(テキスト、画像、音声など)を組み合わせて同時に理解・処理できる能力を指します。その強みを発揮するのは次のようなケースです。
市場調査のために、競合店のチラシを集めたり、店頭の写真を撮ったりすることはよくあります。しかし、その内容をExcelに打ち直して比較表を作るのは非常に手間がかかります。Geminiなら、写真を「見せる」だけで仕事が終わります。
活用シーン
あなたは小売店の店長です。競合店が新しいセールチラシを出しました。その写真をスマホで撮り、Geminiにアップロードします。
指示(プロンプト)例
このチラシの画像を分析してください。掲載されている商品の「商品名」「価格」「割引率」を抽出し、表形式にまとめてください。また、当店のターゲット層(40代主婦)に響きそうなキャッチコピーの傾向も教えてください。
Geminiの回答イメージ
Geminiは画像内の文字情報を高精度に認識します。ほんの数十秒で、チラシの内容が綺麗な表に整理されます。さらに、「限定」「産地直送」といったキーワードが多用されている点など、デザインや文言の傾向まで分析してくれます。
実際の出力結果は次のとおりです。私が割引率と指示しておきながらも、割引率が書かれていないチラシをアップしてしまいました。それでも優しくフォローしてくれています(感謝)。




このように競合のチラシを参考に、自社のチラシをどのように改善していくべきか示唆を得ることができます。この内容を元に、サンプルのチラシを作ってもらうのも良いでしょう。
これまでは「見て、入力して、考える」という3ステップが必要でしたが、Geminiを使えば「見せて、分析結果を読む」だけです。
類似の使い方として、手書きのホワイトボードの会議メモを撮影して、「これを議事録にして」と頼むのもアリです。
導入による効果・成果
GeminiをAI秘書として活用することで、以下のような効果が期待できます。
業務時間の創出
検索や文章作成にかかる時間が半分程度になり、社員1人あたり月間10〜15時間ほど浮くケースも。たとえば、営業資料の作成が3時間→1時間に、競合調査が半日→1時間に短縮された事例があります。浮いた時間は顧客対応や新規企画の立案など、より付加価値の高い業務に充てられます。
業務品質のボトムアップ
文章が苦手な社員でも、AIのサポートでベテラン並みのメール対応ができるように。「新人でも丁寧で的確な返信ができるようになった」「クレーム対応の質が安定した」という声も聞かれます。結果として、顧客満足度の向上にもつながっています。
情報の属人化を解消
「あの件、○○さんしか知らない」という状況が減ります。Geminiがドライブ内の資料を横断検索してくれるので、担当者不在でも必要な情報にすぐアクセス可能。引き継ぎや急な対応もスムーズになります。
小さな成功体験の積み重ね
「AIを使って業務改善できた」という小さな成功体験が、社内のDX推進全体への意欲につながります。「次はこの業務も効率化できないか」と自発的に考える社員が増え、組織全体のデジタルリテラシー向上にも貢献します。
実際の効果は企業規模や使い方によって異なりますが、「導入して終わり」ではなく、使いながら自社に合った活用法を見つけていくことで、効果は確実に大きくなっていきます。
まとめ
本記事では、Googleの生成AI「Gemini」をAI秘書として活用する方法をご紹介しました。
ChatGPTも優れたツールですが、日頃からGoogle Workspace(Gmailやドライブなど)を利用している中小企業にとって、Geminiは親和性が高く、導入したその日から「専属秘書」として活躍してくれる強力なパートナーです。
生成AIは日々進化しています。うまく使いこなして、業務効率をどんどん上げていきましょう。



なるほど! Gemini、すごいじゃないか! よーし、早速わが社も全社員にAI秘書をつけるぞ! そして私は、Geminiを使って『全自動社長』になる! これで毎日ゴルフに行けるな!



えっ、社長が全自動になっちゃうんですか? それってつまり、社長がいなくても会社が回るってことですよね……。あ、経費削減リストの筆頭候補になっちゃいますよ?



な、何を言うんだサクラ君! 私の情熱とリーダーシップはAIには真似できん! ……たぶん! Geminiに『社長の威厳を保つ方法』を聞いてくるから待ってなさい!



あはは、結局AI頼みじゃないですか〜。でもそれって、ヒロシ先輩のお仕事ですよね! 私、インスタの更新あるんで失礼しまーす!









