ヒロシカチョー!大変です!システムに朝からログインできなくて、いろいろ試したんですけど、もう手詰まりです!



え、また!?この前はFAXで今日はシステムか…また管理会社に相談しないと。



ちょっと待って、これ外部に相談するトラブルなの?
またコストが増えるから、社内で何とかしてくれないかな。



…そもそもウチ、システム担当っていましたっけ?
システム担当者育成におけるリスキリングとは?中小企業にも必要な理由
「IT担当者…? そんな人ウチにはいないよ…」こんな声、よく聞きますよね。実はこれ、中小企業あるある課題です。
最近は業務のデジタル化が当たり前になりつつあるけど「決められたツール操作はできても、会社全体のIT整備を任せられる人がいない…」という会社は多いはず。それって外部に頼りきりの状態でもあり、思わぬトラブルや余計なコストにつながることもあるんです。
そこで注目されているのが「リスキリングで社内システム担当者を育てる」という考え方。リスキリングとは、ただのスキルアップではなく「これから必要な仕事に対応するために、意図的に学び直すこと」を指します。厚生労働省の資料でも、リスキリングは「技術革新や働き方の変化に対応するための新しい知識・技能の習得」と定義されています。
出典:リクルートワークス研究所
厚生労働省「リスキリングをめぐる内外の状況について」
本記事で扱うシステム担当者(一般にIT担当と呼ばれる役割)とは、プログラミングの専門家ではなく、社内で使っているシステムやITツールの仕組みを理解し、外部ベンダーとやり取りできる存在を指します。つまり、「IT人材=プログラマー」みたいな高度な話ではなくて、社内のIT仕組みやツールを理解して、外注先ともコミュニケーションが取れる人を育てることが狙いです。
なぜ今、中小企業にシステム担当者の育成が求められているのか
中小企業が抱える課題として、ITは必要だとわかっていても、IT人材不足が足を引っ張っているという現状があります。
「ベンダーの提案が何を意味しているのかわからない…」
「導入したシステムの調整やトラブル対応が遅れてしまう…」
こんな声は、本当に多いですよね。外注だけに頼っていると、結局コストも時間もかかってしまうことに。「新人がITのこと聞きたいけど、誰に聞けばいいんだろう…」という空気、経験ありませんか?これは、IT担当者が社内にいないことで起きるコミュニケーションの停滞でもあります。
リスキリングでシステム担当者を育てるメリットとは?企業と社員の効果
では、実際にリスキリングで社内システム担当者を育てると、どんな良いことがあるのでしょうか?
企業側のメリット
- IT投資の判断力が上がる
- 外注コストを抑えられる
- トラブル対応が早くなる
経済産業省の分析でも、経営者や社員が新しいスキルを身につけることは、企業の変化対応力・成長力アップにつながるとされています。
社員側のメリット
- キャリアの幅が広がる
- 社内での存在感・評価が上がる
- 仕事への不安が減る
IT担当者になったら何が変わるのか?という疑問があるかと思います。これからの時代、デジタル技術を活用することは必須であり、生成AIに代表されるITツールを使いこなすことが大きな生産性向上に繋がります。会社で必要とされる人材であり続けるためにも、ITについての知見を拡げておくことは重要です。
さらに、社内でITに詳しい人間であるというポジションが築ければ、社内のお困りごとの解決を通じて+αの価値を会社に提供することができるでしょう。



急にシステム担当者って言われても、正直何をやればいいのか分からないっス…システムの管理を全部できなきゃダメなんスか?



いやいや、そこまで求めてないよ。まずは「社内で分かる人が一人いる」だけで十分だ。



うむ。大事なのは「いきなり完璧を目指さず、段階を踏むこと」じゃな。
システム担当者育成をリスキリングで進める方法|基本ステップを解説
システム担当者を育成するにも、これまで取り組んだことが無いよ、というのが一般的な中小企業です。ITに詳しい人材も、社内でシステム周りを見ている人もいないような会社でどうやって進めれば良いの?という疑問について、実務ベースで進めやすいステップをご紹介します。
1. まずは役割を決める
システム担当者をリスキリングで育成しようと思っても、IT担当者が担う幅広い範囲をすぐに担うということは困難です。まずは下記のようなシステム担当者が担う業務のうち、どの役割から担ってもらうかを決めましょう。
- 社内IT問い合わせ対応
- ITベンダーとの調整
- 業務ツール/クラウドサービスの管理
- DXや業務改善の企画・推進
どの業務領域や役割を期待するかで、必要なスキルも変わってきます。
2. 必要なスキルを洗い出す
役割が決まったら、その役割を担うために必要なスキルを洗い出しましょう。まずは基礎的なものから始めることが大事です。以下に例を挙げます。
- ITリテラシー(基礎用語・仕組み)
- セキュリティの基本の理解
- クラウドサービスの使い方の把握や管理者機能の理解
- 社内用語とITの接点理解・ベンダーとの会議への出席
3. 実務で使える形にする
Eラーニング等の研修やクラウドサービスのマニュアル・FAQ、OJT等の学習期間を通じて、実務で使えるための実践経験を学んでいきます。教わったことを“実務に結びつける仕組み”があると、ぐっと定着率が上がりますので、形式的な勉強にとどまらず、どのように実践していくかを意識して取り組みましょう。


システム担当者育成に使える支援制度・助成金|国のリスキリング支援策
学習をしていくにも、研修やセミナーを受講したりクラウドサービスを導入するにも費用が心配だな……と感じた方もいるかもしれません。そんな時に活用したいのが公的支援制度です。具体的には、以下のような公的支援制度の活用が考えられます。
厚生労働省の助成金(全国対象)人材開発支援助成金
企業が従業員に対して職務に関連した知識・技能習得のための研修(職業訓練)を実施した際に、訓練費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。リスキリングやIT・DX研修にも活用できる可能性があります。
出典:厚生労働省 人材開発支援助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 人への投資促進コース(高度IT人材等の育成も対象の可能性)
- 事業展開等リスキリング支援コース(DX推進・新事業に対応する研修などを支援)
東京都の助成金(地域限定)DXリスキリング助成金
東京都(公益財団法人 東京しごと財団)が実施する助成制度です。都内に事業所を持つ中小企業がDX・デジタル関連研修を従業員に受講させる際の費用の一部を支援します。
出典:公益財団法人東京しごと財団 令和7年度DXリスキリング助成金
https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-R7dx-risk.html
概要(令和7年度)
- 対象:東京都内の中小企業・事業主(従業員を対象)
- 助成対象:DX・デジタルスキルの研修(eラーニング・集合研修など)
- 助成率:対象経費の4分の3
- 助成額:
1人あたりの上限 ~75,000円程度(研修ごと)
1社あたりの上限 ~100万円程度(複数回申請可能)
まとめ|システム担当者育成の第一歩はリスキリングから始めよう
リスキリングはハイスキルなITエンジニアの育成ではなく、社内でITを理解できる人を一人つくることから始められます。今日できる一歩から、初めて行きましょう。
- 社内でIT担当者候補を1人挙げる
- まずは基礎講座からスタート
- 外部講座を実務につなげる計画を立てる
システム担当者育成は、会社の未来をつくる資産作りになります。ぜひ、あなたの会社でもリスキリングを始めてみてくださいね。



社内で解決できると、こんなに早いんスすね!



外注の対応待ちがなくなるだけで、だいぶ楽だな。



ふぉっふぉっふぉ。これが社内システム担当者を育てる効果じゃ。



今までは「社内でできること」まで、外に頼ってただけかもしれませんね、シャチョー!



そうだな…育てる、って選択肢を忘れてたな。









