
肌にクレーターみたいな凸凹ができちゃって……。自分で治せないかと色々試したんですけど、全然変わりません。



クレーター状のニキビ跡は肌の真皮層までダメージが届いている状態なので、通常のスキンケアでは効果が薄いんです。



そうなんですね。クリニックで治療を受ければ治りますか?



真皮層に働きかける医療ケアが必要です。レーザー治療やダーマペンなど、専門的な方法で改善を目指しましょう。
肌に凸凹したクレーターができてしまっている場合、自力で治すのは難しい状態です。クレーターはダメージが肌の真皮層まで到達している状態のため、通常のスキンケアでは効果が薄く、治療には真皮層まで働きかける医療ケアを行います。この記事では、肌のクレーターを自力で治すのが難しい理由や、ニキビ跡の種類・治療方法について解説します。
肌のクレーターを自力で治すのが難しい理由


肌が月の表面にあるクレーターのようにボコボコとした状態になると、自力で治すのは難しくなります。肌へのダメージがターンオーバー(肌が再生するサイクル)で回復できる表皮だけでなく、その下の真皮層まで達しているためです。
ニキビの炎症が起こると毛穴周りの組織が破壊されますが、その際表皮だけでなく、真皮層までダメージがいくとクレーターになります。表皮のみを対象としたセルフケアで改善するのは難しく、医療ケアで真皮層に働きかける必要があります。
クレーター状になったニキビ跡の種類
肌のクレーターには、アイスピック型・ローリング型・ボックス型の3タイプがあります。それぞれの特徴や治療のポイントを解説します。
アイスピック型


アイスピック型のクレーターは名前の通り、氷を砕くアイスピックのような鋭く尖った形の穴のことです。穴が深いのが特徴で、真皮層より下の皮下組織にもダメージが及んでいる可能性があります。ダメージが深いところまで達しているほど治療は難しくなりますが、医療ケアで緩和することは可能です。
ローリング型


肌が楕円状にへこんでいるクレーターを、ローリング型と呼びます。凹みの直径は4mm以上と大きいのが特徴です。アイスピック型より穴は浅いものの、真皮層までダメージが達しているため自力での治療は難しいでしょう。肌の凹みを内側から持ち上げる医療ケアで改善が見込めます。
ボックス型


ボックス型のクレーターは、箱のように角が垂直にへこんだ状態です。アイスピック型より穴は浅いですが、真皮層までダメージが到達しているため自然治癒は難しくなります。穴の角が垂直なので、医療ケアで肌を持ち上げるだけでは治りにくい状態ですが、継続的に治療をすれば改善が期待できます。
クレーター状のニキビ跡ができる主な原因


クレーター状のニキビ跡はニキビによる炎症が起きた後、ターンオーバーが乱れることで発生します。特にニキビを無理に潰すなど、過剰な刺激を与えると跡が残りやすくなるため注意が必要です。
肌への過剰な刺激
クレーター状のニキビ跡は、肌への過剰な刺激によって引き起こされることが多いです。ニキビを無理に潰そうとしたり、引っかいたりすると炎症が悪化して皮膚が深く傷ついてしまいます。
過剰な刺激によって皮膚の深い部分までダメージが及び、正常な肌の再生が妨げられると、皮膚のコラーゲン生成がうまくいかず、凹み跡が残りやすくなります。
炎症の悪化
炎症がひどくなると、白血球による炎症を抑制しようとして肌の真皮層が破壊され、ターンオーバーができなくなってしまいます。ダメージを受けた真皮層では肌の修復が難しくなり、結果としてクレーター状のニキビ跡ができやすくなります。
クレーター以外のニキビ跡の種類
ニキビ跡の種類にはクレーターの他にも、赤みや色素沈着、ケロイドがあります。肌のダメージが大きいクレーターやケロイドは自然治癒が難しいものの、赤みや色素沈着であれば自然治癒する可能性もあります。
赤み


肌の赤みは、ニキビの腫れが治まった後で内部に炎症が残ってしまった状態です。腫れがなくなっても肌の内部で炎症が続いており、毛細血管が拡張して赤みとして出ています。
軽いものであれば肌のターンオーバーで赤みが引いていきますが、重度だと赤みが残り、色素沈着を起こすこともあります。早めに治療すれば改善へと向かうでしょう。
色素沈着


ニキビ発生後にメラニン色素が肌から排出されずに残ると、色素沈着の原因となります。ニキビにより肌に炎症が起こると、肌を守るためにメラニン色素が生成されます。メラニン色素は通常肌のターンオーバーによって排出されますが、生成量が多いと沈着してシミのような跡になってしまうのです。色素沈着はメラニン色素を分解したり、肌のターンオーバーを促したりする医療ケアで緩和できます。
ケロイド


セルフケアでの治癒が難しいニキビ跡には、ケロイドもあります。ケロイドはミミズ腫れのような、赤く盛り上がった硬い質感のニキビ跡です。炎症が真皮まで達し、修復のためにコラーゲンを異常に生成することで皮膚が盛り上がります。痛みやかゆみが出る場合もあります。
男性のクレーター肌の改善には美容医療がおすすめ


ニキビ跡やクレーター肌に悩む男性は多く、改善するには美容医療を検討するのがおすすめです。男性は皮脂の分泌を促す男性ホルモンが多いため、女性と比べてニキビが発生しやすい傾向にあります。さらに髭剃りも肌を傷つけやすく、雑菌が入ってニキビができる原因に。
女性と比べて積極的にスキンケアをしない人も多いので、ニキビ後にターンオーバーが乱れてクレーターになりやすいかもしれません。軽度のニキビ跡であれば毎日のスキンケアや美容液による保湿、ビタミンの多い食事、紫外線対策、髭剃り時のシェービング剤での肌の保護や、髭剃りの刃を清潔に保つことで改善する可能性もあります。
しかし、クレーターが発生している場合は自力で治すことが難しいので、早めにクリニックで治療を受けるのが望ましいでしょう。
ニキビ跡のクレーターを改善する治療方法4選
ニキビ跡のクレーターを改善するには、ダーマペンやレーザー、コラーゲンピール、再生治療といった方法があります。それぞれの治療方法の特徴を解説します。
①ダーマペン


ダーマペンは専用の機器についた微細な針を肌に刺し、肌の治癒力を引き出す治療法です。針を刺すときに美容成分を塗布することで、真皮層に直接美容成分を届けられます。美容成分により、肌のうるおいを保つコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促します。
ダーマペンを行うと肌のターンオーバーの正常化や、肌を内側から持ち上げる効果が期待できるでしょう。ピーリング製剤と組み合わせると、角質除去とコラーゲン生成の相乗効果により、クレーターの改善がより効果的に進みます。
②レーザー


レーザー治療とは、特定の波長のレーザーを肌へ当てる治療法です。あざやシワの改善、脱毛などさまざまな用途に使われ、クレーターの改善効果も期待できます。真皮層にアプローチして、コラーゲンの生成を促すのが特徴です。
レーザーにはさまざまな種類がありますが、短いパルス幅を持つピコレーザーならクレーター部分を的確に照射できるため、周囲の肌へのダメージを最小限に抑えられます。
③コラーゲンピール


コラーゲンピールとは、専用の薬剤を塗布しマッサージすることで、肌のうるおいやハリを改善する治療法です。肌の真皮層まで薬剤を浸透させ、コラーゲンの生成を促進させます。肌の奥深くまで働きかけるため、クレーターの改善効果も見込めます。安全性が高く、痛みやダウンタイムも少ない人気の治療法です。
④再生治療


再生医療(PRP治療・ACRS)は、患者の血液から採取した血小板を肌の真皮層に注入する治療法です。血小板には傷を治す力があり、その自己治癒力を利用してクレーターを改善させます。自身の血液を使うためアレルギーや副作用のリスクが少なく、安全性の高い治療法とされています。
肌のクレーターは自力で治すのが難しいことを知り、医療ケアを検討しよう


クレーターは肌の奥深くにある真皮層までダメージが及んでおり、自力で治すのが難しい状態です。美容医療で肌の真皮層に働きかける治療を受けることで、改善が期待できます。クレーターなどのニキビ跡ができる原因や症状の特徴を知り、自力でのケアが難しいと感じたら医療ケアも検討してみてはいかがでしょうか。