
顔のほくろが気になってるんですが、自分で除去しても大丈夫ですか?



自己処理でほくろを取るのは非常に危険です。傷跡が残ったり、感染症にかかるリスクが高いですよ。



そうなんですね。じゃあどうすればいいんでしょう?



ほくろの中には悪性腫瘍の可能性もあるので、安全に除去するにはクリニックで相談するのが一番です。
自力でほくろを除去すると、傷跡が残る、感染症にかかるなどのリスクがあり大変危険です。ほくろが悪性腫瘍である可能性も踏まえて、安全に除去するにはクリニックに相談するのがおすすめです。この記事では、ほくろができる原因や自力で除去するリスク、安全な除去方法を紹介します。
そもそもほくろとは?


ほくろは皮膚に発生する良性腫瘍で、発生箇所や大きさ、色により分類されます。最初にほくろの概要と分類を解説します。
皮膚にできる良性腫瘍の一種
ほくろとは、メラノサイトが変質して生じた良性腫瘍のことです。医学的には「色素性母斑」や「母斑細胞母斑」と呼ばれます。メラノサイトとは、紫外線や摩擦などの刺激から肌を守るためのメラニン色素を生成する細胞のこと。「母斑細胞」という細胞が増殖することでほくろができます。
大きさや色の濃さもさまざまで、最初は薄いほくろでも、メラニン色素が増えて時間とともに濃くなることもあります。
ほくろの分類
ほくろは発生箇所や大きさ、色別に分類されます。
【発生箇所別】
- 境界母斑…表皮と真皮の間にできるほくろ。小さくて薄く、目立たないものが多い。
- 複合母斑…表皮と真皮の間に加えて、より奥の真皮内にできるほくろ。
- 真皮内母斑…真皮内にのみできたほくろ。大人のほくろに多く、盛り上がった形状が特徴。
【大きさ・色別】
- 単純黒子(ほくろ)…1~2mmの大きさで薄い茶色をしたほくろ。
- 青色母斑…青みが強いほくろ。直径1cm以上のものは悪性化することがあるので、クリニックへ相談するのがおすすめ。
- 色素性母斑…さまざまな大きさや形状のほくろ。突然大きくなるものや、出血するものは悪性の可能性がある。
ほくろができる3つの原因


ほくろの発生原因には先天性のものや、紫外線・摩擦によってできるもの、ターンオーバーの乱れによるものなどがあります。
①生まれつき
ほくろの中には、生まれつき体にできているものがあります。大きさが数十cmほどになるケースは注意が必要です。将来的に悪性腫瘍になる可能性があるため、クリニックでの診断や除去をおすすめします。
②紫外線や摩擦によるダメージ
紫外線や摩擦により、ほくろが発生することもあります。ほくろへと変化するメラノサイトは、外部刺激から肌を守るためにメラニン色素を生み出します。
紫外線や摩擦により外部刺激を繰り返すことで、メラノサイトが変質しやすくなり、ほくろが発生するのです。紫外線の影響を受けやすい顔や手のひら、腕などにできやすい傾向があります。
③ターンオーバーの乱れ
肌のターンオーバーが乱れることも、ほくろが発生する原因に。ターンオーバーとは、古い皮膚から角質が剥がれ落ちて、新しい皮膚が生み出されるサイクルのことです。
通常ターンオーバーによりメラニン色素は排出されますが、周期が乱れて排出できないとほくろになります。睡眠不足や栄養不足、加齢でターンオーバーは乱れやすいので注意が必要です。
ほくろを除去する必要性は?


ほくろは良性腫瘍なので、基本的には除去しなくても構いません。ただし、顔の目立つ部分にあって気になる場合は除去することもあります。まれに悪性腫瘍の可能性もあるので、以下の特徴があるほくろは一度クリニックを受診しておきましょう。
- 短期間で大きさや硬さ、色が変化する
- 形が左右対称でない
- ほくろの境界がぼやけている
- ほくろから血が出る
- 直径が6mm以上ある
自力でほくろは除去できる?


インターネット上に自力でほくろを取る方法が紹介されているページがありますが、おすすめはできません。自力で取る方法には除去クリームやレーザーペン、精油ジェルやお灸によるものなどがあります。
これらの方法では完全にほくろを取り切れず、跡が残るなどのリスクもあるため、自力では行わず必ずクリニックに相談しましょう。
自力でほくろを除去する3つのリスク


自力でほくろを除去すると、傷跡が残ったり感染症にかかったりする恐れがあり、大変危険です。特に悪性腫瘍であった場合は命にかかわるので、自力で試さずにクリニックを受診しましょう。
①傷跡が残る
ほくろを自力で取ると、跡が残ることがあります。肌のターンオーバーで元に戻ることもありますが、傷が深いと跡が残り続けるケースも。凹みが残ったり、凸凹したケロイド状になったりするケースもあります。
②感染症にかかる
カッターやはさみを使ってほくろを取ると、傷から細菌が入って感染症を引き起こす可能性があります。最悪のケースでは皮膚が壊死してしまうことも考えられます。
③やけどや水ぶくれができる
もぐさなどでほくろを除去しようとすると、まわりの皮膚にも熱が及んでやけどや水ぶくれができる可能性があります。化学反応で皮膚を溶かしてほくろを取る、除去クリームも同様です。
クリニックでほくろを除去する3つの方法


クリニックでほくろを除去する場合、レーザーや切開、電気メスといった選択肢があります。ほくろの大きさや形状によって適した施術方法は異なるため、どの方法にするかは医師と相談して決めましょう。
①レーザー
クリニックでほくろを除去する方法のひとつにレーザーがあります。専用のレーザーをほくろに照射し、熱により細胞の水分を蒸発させ削っていく方法です。削った後は縫合するのではなく、軟膏を塗ってテープを貼り、自然に治るのを待ちます。
ほくろの部分にのみレーザーを当てるので肌のダメージが少なく、ダウンタイムも比較的短いのがメリットです。ただし、切開に比べてメラノサイトや母斑細胞を取り切れず、再発する恐れもあります。
②切開
切開はメスを使ってほくろと周りの皮膚を取り除き、周辺の皮膚を引き寄せて縫合する方法です。一回でほくろを取り除けるので、再発の可能性がほとんどありません。デメリットはメスを使う施術なので、どうしても内出血や腫れが出やすく、回復までに時間がかかることです。また、抜糸のために後日病院に行く必要もあります。
③電気メス
小さめのほくろなら、電気メスにより除去する方法もあります。弱い電気を帯びたメスで、ほくろを焼いて削り取ります。
レーザーでは取れない盛り上がったほくろも取れ、再発の可能性もレーザーより低いのがメリットです。一方で、施術直後に赤みや凹みができることがあり、色素沈着しないよう数週間は刺激に注意が必要です。
ほくろの除去は健康保険が適用される?


ほくろの除去は保険適用になる場合と自由診療になる場合があります。保険適用になるのは、ほくろにより生活に支障がある場合です。ほくろの位置により眼鏡がかけにくい、衣服が脱ぎ着しにくい、悪性腫瘍の可能性が高い場合などが対象です。
保険適用の場合、自己負担は安く済みますが、施術方法は切開になることが多いでしょう。レーザーや電気メスによる施術を希望すると、理由を問わず自由診療になることがあります。また、見た目が気になるだけで、生活に支障が出ていない場合は保険が適用されず自由診療となります。
自力でほくろを除去するのは難しいと知り、医療ケアの検討を


自力でのほくろ除去は、傷跡や感染症のリスクが高く非常に危険です。クリニックに相談すれば、切開やレーザーなどの方法で負担が少なく除去できます。ほくろに見えたものが悪性腫瘍のケースもあるため、除去を検討している場合は必ずクリニックに相談しましょう。