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もう手作業に戻れない!中小企業必見のIT活用7つのジャンル

ヒロシ

カチョー、正直言って…毎日メールと資料作りで手一杯です。営業の時間が全然取れないんですよ。

カチョー

わかるぞ…。俺も会議準備で残業続きだ。効率化の仕組みが欲しいんだがな。

シャチョー

よし!それなら海外進出だ!グローバルに行けば解決するんじゃないか?

ハカセ

それよりITを活用して業務を楽にすることを検討するべきじゃよ。

中小企業の現場では「人手が足りない」「雑務に追われて本業に集中できない」といった悩みが尽きません。そんな課題を解決してくれるのが、低コストで導入できるITツールの活用です。経理・営業・会議・顧客管理など、あらゆる場面で業務を効率化する仕組みが登場しています。この記事では、中小企業が特に効果を実感しやすい ITを活用して業務を楽にする7つのジャンル を取り上げ、それぞれの特徴と導入のメリットを解説します。

目次

業務効率化を加速させるIT活用7つのジャンル

クラウド会計ソフト(freee / マネーフォワード)

  • 特徴:請求書作成、経費精算、給与計算を自動化。銀行口座やクレジットカードと連携でき、データ入力の手間が大幅削減。
  • こんな企業におすすめ:経理担当が1人しかいない企業、会計知識がなくても安心したい企業。
  • 導入効果例:月末の経理処理が3日かかっていたのが、わずか半日で完了。

経理担当が一人しかいない会社や、社長自ら帳簿を管理している会社にとって、会計業務は大きな負担です。クラウド会計ソフトを導入すれば、請求書の作成や経費精算、給与計算などを自動化でき、入力の手間を大幅に削減できます。銀行口座やクレジットカードと連携して自動で仕訳が行われるため、ミスも減り、会計の透明性も高まります。

また、クラウド上で自動で集計されるため、毎月の経理処理を後回しにする必要がなくなります。月末にまとめて作業するストレスから解放され、普段の仕事に集中できます。

チャットツール(Slack / Chatwork)

  • 特徴:リアルタイムでのやり取りが可能。メールよりスピードが速く、情報がスレッドごとに整理される。
  • こんな企業におすすめ:リモートワークや複数拠点のチームを抱える企業。
  • 導入効果例:メール処理に費やしていた時間が半減し、社内のレスポンスが向上。

メールでのやり取りはスピードが遅く、情報も埋もれやすいのが欠点です。チャットツールなら会話感覚でやり取りでき、スタンプやリアクションで「見たよ」と簡単に伝えられるため、レスポンスが格段に向上します。プロジェクトごとにチャンネルを分けておけば、会話やファイルが整理され、探す手間も減ります。

さらに、外出先からスマホで確認・返信できる点も強力。営業やリモートワークが多い会社にとって、社内外のコミュニケーションを一気にスムーズにしてくれます。「誰が何をやっているか」「今どんな進捗か」が一目で把握できるため、報連相の手間が半分になると感じる企業も多いです。

プロジェクト管理ツール(Trello / Asana)

  • 特徴:タスクを「見える化」し、進捗や担当をカード形式で一目で把握できる。
  • こんな企業におすすめ:同時進行の案件が多く、進捗会議が長引きがちなチーム。
  • 導入効果:会議時間が半分に短縮、抜け漏れゼロで信頼性向上。

複数の案件が同時進行すると「誰がどこまで進めているのか」が不明確になりがちです。そこで役立つのがプロジェクト管理ツール。カードやボード形式でタスクを見える化し、担当者や期限を明確にできます。

会議のために資料をまとめなくても、画面を見れば一目で進捗がわかるので、会議時間も短縮。小さなチームでも「抜け漏れゼロ」「タスクの属人化防止」に大きく貢献します。特に、納期が厳しい業界や案件数が多い企業にとっては、導入効果がすぐに実感できるツールです。

オンラインストレージ(Google Drive / Dropbox)

  • 特徴:ファイル共有や共同編集が簡単。外出先やスマホからでもアクセス可能。
  • こんな企業におすすめ:営業や出張が多く、外部パートナーとも資料を共有する企業。
  • 導入効果:資料探しの時間がゼロに、社内外での情報共有がスピーディーに。

「最新版のファイルはどれ?」「USBに入れて持ってくるのを忘れた」──そんなトラブルを一掃できるのがオンラインストレージです。インターネットに接続さえできれば、どこからでもアクセス可能。ファイルを共同編集できるので、複数人が同時に資料を更新できます。

営業担当が外出先からすぐに見積もりや提案書を送れるのも強み。社外パートナーとの資料共有も安全に行えます。セキュリティも強化されているため、紙やUSBよりも安心です。ファイルを探す時間がゼロになるのは、働き方を大きく変えてくれるメリットです。

MAツール(HubSpot / Kairos3 Marketing)

  • 特徴:見込み客の行動を自動で追跡し、メール配信やスコアリングを行う。営業リストが自動生成される。
  • こんな企業におすすめ:営業人数が少なく、効率的に見込み顧客を育成したい企業。
  • 導入効果例:成約率が上がり、営業活動の「質」が大幅に改善。

営業担当が限られている中小企業にとって、見込み顧客を効率的に育てるのは難題です。MA(マーケティングオートメーション)ツールを使えば、顧客がWebサイトでどんな行動をしたかを自動で記録し、関心度の高い相手には自動でメールを送るなど、営業を「仕組み化」できます。

これにより、温度感の高い顧客だけを営業が追えるようになり、成約率が向上します。マーケティング部門がない小規模企業でも、「顧客が自然に育つ流れ」を作れるのは非常に大きな武器です。少人数営業でも戦える仕組みを構築できる点が最大の強みです。

オンライン会議ツール(Zoom / Google Meet)

  • 特徴:移動ゼロで会議や商談が可能。録画・字幕・画面共有など機能も豊富。
  • こんな企業におすすめ:遠方の顧客やパートナーとの打ち合わせが多い企業。
  • 導入効果例:出張コスト削減、会議録画で議事録作成も効率化。

リモートワークや遠方の顧客との商談には欠かせない存在。移動時間がゼロになるだけでなく、会議を録画して後で見返せたり、AIで議事録を自動生成できたりと、ただのビデオ通話以上の価値を提供します。

出張コストの削減はもちろん、会議準備の負担も軽減。社員が「会議のために一日つぶれる」ことがなくなります。特に少人数の企業では、時間をいかに生産的に使えるかが成長のカギになるため、導入メリットは計り知れません。

AIアシスタント(ChatGPT / Gemini)

  • 特徴:文章作成、調査、アイデア出しなどをAIが代行。
  • こんな企業におすすめ:企画書・提案書を作る機会が多い、リサーチ時間を短縮したい企業。
  • 導入効果例:社員の「下準備時間」が激減し、本来のクリエイティブな仕事に集中できる。

近年もっとも注目されているのがAIアシスタントです。文章作成やリサーチ、資料の下書き、さらにはプログラムコードの生成・修正まで幅広く活用できます。人間がゼロから作業する時間を大幅に短縮できるため、社員一人あたりの生産性を高める効果は抜群です。

もちろん、AIの提案をそのまま使うのではなく、最後は人間が確認・修正する必要があります。しかし「下準備の時間を劇的に減らし、考える時間を増やせる」ことは、中小企業にとって大きな武器になります。問題解決を後押しするいつでも相談できるアドバイザーのような存在になるのがAIアシスタントの魅力です。

サクラ

えぇー!こんなに便利なツールがあるんですね。なんだかゲームのアイテム図鑑みたいでワクワクします!

ヒロシ

確かに。俺、正直AIとか半信半疑だったけど…これ、使いこなしたら営業めっちゃ楽になりそうっスね。

シャチョー

いいじゃんいいじゃん!全部導入して、一気に海外展開だ!未来はオレたちのものだ!

ハカセ

フフフ…。急ぎすぎてはいかんぞ、道具は使いどころを見極めてこそ輝くのじゃ。

導入ステップ – 小さく始めて徐々に拡大

業務でのIT活用は「ツールを導入したらすぐに全てが劇的に変わる!」というものではありません。特に中小企業の場合、ツールの使い方や業務フローの見直しが必要になるため、段階的に取り入れることが成功のカギです。以下のステップを意識すれば、無理なく定着させることができます。

業務の洗い出し

まずは「どの作業に一番時間がかかっているのか」を明確にしましょう。経理処理に毎月丸1日かかっているのか、営業リストの管理に人手が割かれているのか、会議準備に追われているのか…。現状のボトルネックを洗い出すことで、「どのツールから始めれば効果的か」が見えてきます。

優先度の高い1つから導入

いきなり複数のITツールを入れると、社員が混乱し「結局使わなくなった」という失敗が起こりやすいです。最初は一番効果が出やすいツール(例:クラウド会計やチャットツールなど)を1つだけ試すのが正解。成果を感じられると、次の導入にも前向きになれます。

社内共有とルール作り

ツールを入れても「人によって使い方が違う」「結局一部の人しか使っていない」となると効果は半減します。
簡単なマニュアルを用意したり、定例ミーティングで使い方を共有するなど、社内全員が同じルールで使える仕組みを作りましょう。小さな会社ほど「全員が同じ目線で使える」ことが成功の条件です。

効果測定

導入して終わりではなく、実際にどんな効果が出ているのかを振り返ることが大切です。「経理処理の時間が◯時間減った」「会議時間が◯%短縮した」「問い合わせ件数が◯件増えた」など、数字で測定すると導入の価値がはっきりします。数字が出ると社員のモチベーションも高まり、社長や上司にも説明しやすくなります。

成功したら横展開

最初の1つで効果を感じられたら、次のツールに挑戦しましょう。例えば「チャットツールで業務がスムーズになったから、今度はプロジェクト管理も導入してみよう」という具合です。小さな成功を積み重ねていけば、気づけば社内全体がデジタル化され、自動で回る仕組みが出来上がります。

まとめ – IT活用は中小企業の未来を変える

中小企業が抱える「人手不足」や「雑務の負担」は年々深刻化しています。会計ソフトやチャット、プロジェクト管理、AIアシスタントといった便利なITツールを取り入れることで、限られた人員でも効率的に業務を進めることが可能になります。重要なのは、一度にすべてを変えようとせず、小さな導入から始めることです。効果を実感しながら徐々に広げていけば、自然と生産性が高まり、働き方そのものが変わっていきます。ツールは単なる業務サポートではなく、社員の時間を生み出し、新しい価値を創る土台になります。

ヒロシ

これで残業減ったら、俺の趣味時間も増えるかも!

カチョー

ツールを入れたところで結局俺が設定担当なんだろうけどな…。

シャチョー

やってみなきゃ始まらない!新しいツールで会社をもっと成長させようじゃないか!

高仲 秀寿のアバター 高仲 秀寿 中小企業診断士

TenCy株式会社 代表取締役 / 中小企業診断士
富士フイルム株式会社に約8年勤務し、システム開発・プロジェクトマネジメント等を経験。2016 年に中小企業診断士資格を取得し、独立。2020年現職のTenCy株式会社を設立し、代表に就任。以降、中小企業のホームページ制作やチラシ・グラフィックデザイン制作、システム開発導入支援、kintone運用支援等を実施。中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー。

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