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BCPって何?事業継続計画で会社と社員の未来を守ろう!

ヒロシ

カチョー、シャチョーが最近「ウチもそろそろBCPを!」ってよく言ってますけど、BCPって何スか?

カチョー

BCPっていうのは、Business Continuity Planning、つまり「事業継続計画」の略称だ。地震や感染症みたいな危機的な状況が起こった時に、会社への損害を最小限にして、事業をなるべく早く元に戻すための計画なんだ。

サクラ

さすがカチョー、物知りですね!

カチョー

だが正直、私も言葉の意味を知っている程度で、どこから手を付けていいか分からなくて困っているんだよ…

ヒロシ

じゃあ、やっぱりウチの会社には無理ッスかね~

カチョー

簡単に諦めるな!最初から完全なものを作るのは不可能かもしれないが、みんなでBCPをイチから学んで、シャチョーにいいとこを見せよう!

BCP(事業継続計画)という言葉はよく聞くけれど、その具体的な内容や、何をどうすればいいのか分からない、という中小企業の経営者の方は多いのではないでしょうか。特に、大企業と比較すると、大企業のBCP策定率が35.5%であるのに対して、中小企業は15.3%と低いのが実状です(帝国データバンク「事業継続計画に対する企業の意識調査2023」より)。

しかし、経営資源が限られる中小企業こそ、予期せぬ緊急事態に備えることは、企業の生死を分ける重要な経営課題です。本記事では、完璧を目指すのではなく、まずは「今日できること」から始めるための、超初歩的なBCP策定ステップをご紹介します。

目次

そもそもBCPとは?「防災」との違いは?

BCPとは「Business Continuity Planning」の略称であり、「事業継続計画」と訳されます。地震や水害などの自然災害、感染症の流行、テロといった危機的状況において、企業への損害や影響を最小限にし、早期復旧を図るために策定される計画です。

よく混同されがちな「防災対策」は、主に人命保護や建物・設備の被害軽減を目的としています。これに対し、BCPは、「命が助かった後、どうやって翌日店を開けるか?」、つまり事業の継続・早期復旧に焦点を当てている点が大きく異なります。防災が「守り」の対策だとすれば、BCPは「攻め」の経営戦略とも言えるでしょう。

超初歩的なBCPでもこれだけある!中小企業のメリット

「完璧な計画書」を作る必要はありません。簡易的であっても、BCPが「ある」だけで、有事の際の初動は劇的に変わります。BCP策定を通じて、中小企業が得られる主なメリットを確認しましょう。

1. 事業継続性の向上

BCP策定の最大のメリットは、事業継続性の向上です。BCPを策定することで、災害や感染症といった危機的状況下においても、損失を最小限に抑え、早期復旧を図ることができるため、事業を継続できる可能性が高まります。事前に具体的な対応策を定めておくことで、緊急事態が発生した際にもかつ迅速に行動でき、事業の中断期間を最小限に抑えることが可能です。

もしBCPがなければ、被害が大きくなり、最悪の場合、倒産や従業員の解雇に繋がりかねません。BCPは、安否確認や避難誘導などの対策を通じて、従業員とその家族の安全を守るための土台作りでもあります。

2. 社会的信頼性の向上

二つ目のメリットは、社会的信頼性の向上です。BCPを策定していることで、危機的状況下でも事業が存続する可能性が高いと社内外から判断され、顧客や取引先を含むステークホルダー全体からの信頼を得やすくなります。

これにより、取引の増加や従業員の確保、資金調達の面でもプラスの効果を得られる可能性があります。事業を継続することは、納期遅延やサービス停止による損害賠償リスクを軽減し、サプライチェーンの一員としての責任を果たすことにも繋がります。また、BCP策定は企業イメージの向上にも繋がり、国が認定する「事業継続力強化計画」の認定を受けることで、社会的な信用をさらに高められます。

事業を継続することは、納期遅延やサービス停止による損害賠償リスクを軽減し、サプライチェーンの一員としての責任を果たすことにも繋がります。また、BCP策定は企業イメージの向上にも繋がり、国が認定する「事業継続力強化計画」の認定を受けることで、社会的な信用をさらに高められます。

3. 雇用の安定

BCP策定は、経営資源の中でも大切な「人」を守る、つまり雇用の安定に貢献します。BCPを策定しておくことで、危機的状況下においても事業を継続しやすくなるため、経営判断として人員削減の方針を取らなければならない事態を避けることができます。これは従業員にとって解雇されるリスクが低くなることを意味し、従業員満足度(ES)の向上や会社への信頼獲得にも繋がります。

また、BCP策定を通じて、企業が危機感を持ち対策していることがアピールでき、従業員一人ひとりのリスク意識を高めることにも繋がるでしょう。結果として、事業の先行きが見えない状況下での従業員の士気低下や離職を防ぐ効果も期待できます。

ヒロシ

BCPって、ただ会社を守るだけじゃなくて、僕たちの雇用や、取引先からの信頼を守るためにも必要なんですね。

サクラ

もし会社がストップして取引先に迷惑をかけたら、次の仕事をもらえなくなっちゃいますもんね。

カチョー

そうだな。やはりBCPはウチの会社にとっても必要だ。完璧を目指すのではなく、まずは最低限の方法で、できるところから始めてみようか!

今日からできる「超・初歩的」BCP 3選

「どこから手を付ければいいのかわからない」という方は、まずはこの3つのステップから始めてみましょう。これらは専門的な知識を必要とせず、すぐに確認・実行できる内容です。

1. 緊急連絡網を「スマホ」と「紙」で更新する

社員の電話番号やメールアドレスは最新のものに更新されていますか?例えば年末年始と夏休みの前など、時期を決めて定期的に社員の連絡先を最新のものに更新する習慣を作りましょう。

災害発生時には通信インフラが停止し、電話やインターネット、LINEやチャットツールがつながらなくなる可能性があります。せっかく最新に更新した連絡先のデータも、開けなくなる可能性も十分にあり得ます。電波障害に備えて、最新の連絡網を印刷した「アナログな連絡網(紙)」を、会社に掲示する、経営者や責任者が手元に持っておくよう指示するだけでも立派な対策です。

2. 重要なデータの「バックアップ」を確認する

事業を継続する上で、顧客リストや経理データ、商品の設計図などの「情報」は非常に重要な資源です。これらのデータが破損したり、復旧できなくなったりすれば、明日から仕事ができません。難しいクラウド設定や複雑なシステム導入ができなくても、まずは以下の超初歩的な対策を取りましょう。

顧客データや人事データなど、重要なデータを「外付けハードディスク」や「USBメモリ」にコピーを取り、記録媒体を、会社のサーバーとは異なる別の場所(例:自宅、離れた倉庫、クラウドストレージ)に保管しましょう。これにより、会社が被災してもデータが守られます。
※BCPとは別に個人情報保護のルールを定めている会社は、そちらも考慮して保管場所を決めましょう。

3.「ハザードマップ」をみんなで共有する

自社がどんなリスクに直面するのかを明確にすることが、BCP策定の基礎となります。近年は異常気象で水害も頻繁に生じているため、リスクの洗い出しは非常に重要です。

まずは、国交省や自治体が公開しているハザードマップを確認しましょう。
・自社の周辺の浸水エリアはどうなっているのか。
・土砂崩れの危険があるエリアはどこか。

このハザードマップを印刷して、休憩室の壁などに貼り、「ここが危ないね」「もし浸水したら、この機械は移動させなきゃ」などと従業員と話すだけでも、リスクへの意識が劇的に変わります。例えば、緊急事態の集合場所を全員で共有し、年に一度そこまで社員全員で歩いて行って確認する、という取り組みをしている会社もあります。

【まとめ】完璧じゃなくていい。小さな一歩が未来を守る

BCPは未経験の災害を想定するため、予測が難しく、最初から完全なものを作ることは不可能です。しかし、不完全なものでもBCPが「ある」のと、「ない」のとでは、有事の際の対応に大きな差が出ます。まずは、「連絡網の更新」や「ハザードマップの確認」といった小さな一歩を踏み出すことが、会社と従業員の未来を守るための第一歩です。

ぜひ次の社内ミーティングで、BCPについて話し合ってみましょう!

ヒロシ

シャチョー、みんなでBCPについてバッチリ勉強しました!

シャチョー

すばらしい!ヒロシ、さっそくだが、明日までに連絡網の更新とデータのバックアップ、ハザードマップの作成を頼んだぞ!

ヒロシ

ガーン、ヒロシに緊急事態が発生!

サクラ

お先に失礼しま~す

玉川 信のアバター 玉川 信 中小企業診断士

株式会社TUK 代表取締役 / 中小企業診断士
DTP印刷会社、物流系システム会社にて一貫して提案型営業のキャリアを積む。 独立後はコインパーキング運営会社の経営と中小企業支援を両立。中小企業支援では特に「難しいことを言わない、お金をかけない」IT導入による業務効率化に取り組んでいる。自身が中小企業を経営している経験から、経営者の立場に寄り添った支援がモットー。

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