サイト制作費用、もう悩まない!活用したい「補助金」徹底解説!

ヒロシ

ちょっと相談いいっスか?うちのECサイト、もっと本格的に作り込みたいんですけど、制作費用が高くてなかなか踏み出せなくて…

カチョー

うーん、ECサイトは今や競合もたくさんで、サイトで差別化していくことが必須だからな。でも、確かに制作の初期投資は馬鹿にならないよな。

ヒロシ

そうっスよね、ECサイトのリニューアル費用の見積とったら、ここまで掛かるのかと驚きました。これはシャチョーにみせてもそんな金ない!って言われるだけだな、と。

ハカセ

ふぉっふぉっふぉ。金策に困っておるのか?国や自治体には、企業や事業者の挑戦を後押しする「補助金」という賢い仕組みがあるのじゃ。ECサイトやホームページ制作にも使える補助金は案外多いのじゃ。

ECサイトやホームページは、現代のビジネスにおいて欠かせないツールです。創業したてで法人の銀行口座を開設しようと相談した時にホームページの有無を確認されることもあります。

しかし、ホームページやECサイトの制作費は、特に中小企業や個人事業主の方にとっては大きな負担となりがちです。そんな時こそ、国や自治体が提供する「補助金」の活用を検討すべきです。補助金を上手に活用すれば、費用負担を軽減し、より質の高いサイトを制作して事業拡大へと繋げることが可能になります。

この記事では、ECサイトやホームページ制作に活用できる主な補助金について、その概要と活用ポイントをわかりやすく解説していきます。

目次

そもそも補助金って何?ECサイトやホームページの制作で活用できる?

補助金とは、国や地方公共団体が特定の政策目標を達成するために、企業や事業者の取り組みを支援する目的で給付する、返済不要な資金のことです。

ホームページやECサイトの制作において補助金を活用するメリットは主に以下の3点です。

  • 初期制作費用の負担軽減:制作費用の一部または大半をカバーできるため、自己資金の持ち出しを抑えられます
  • 事業拡大への更なる投資の実現:浮いたお金を他の広告宣伝費や人件費等に投資する等で、事業の拡大に貢献できます
  • 企業や事業の信頼性向上:補助金の採択実績は、事業計画が公的に認められた証でもあり、補助金採択実績によって融資を受けるケースや国や自治体のPRページに掲載されるケースもあって信頼性の向上につながります

ホームページやECサイトの制作においては、制作の外注費用やその後の広告宣伝費などを補助対象経費として、いくつかの補助金が申請可能です。特にECでは「商材で勝負の8割が決まる」と言われるように、魅力的な商材を最大限にアピールするためのサイト制作費用に補助金を活用するのは、賢い戦略と言えるでしょう。

ホームページ・ECサイト制作で使える全国が対象の補助金一覧

経済産業省及び中小企業庁の制度である補助金は、従業員数や資本金の額などの要件を満たしている全国の企業、個人事業主が対象となります。補助制度の種類も豊富で、様々な設備投資に対する補助制度がありますので、申請の仕方や採択については、お近くの支援機関や中小企業診断士などに相談してみてください。

ここでは、ホームページ制作やECサイト制作の費用が補助対象となる補助金についてご紹介します。なお、以下の一覧は本記事執筆時点(2025年9月)での情報となります。最新の情報は合わせてご確認ください。

①小規模事業者持続化補助金(全国対象)

小規模事業者等が持続的な経営に向けた経営計画を策定し、販路開拓等に取り組む費用の一部を補助します。ホームページ制作やECサイトの新規制作・リニューアル費用が一部補助対象となります。Webに関する補助費用は、総額の25%までと定められているため、紙媒体の販促ツールや内外装工事費用、機械設備の購入など、Web以外での費用で総額の75%以上を占める必要があります。

一般型では、基本で補助額上限50万、補助率2/3となっています。インボイスの特例などの条件を満たすことで、補助額の上限が最大250万まで引き上げることが可能です。

創業型では、基本で補助額上限200万、補助率2/3となっています。インボイスの特例条件を満たすことで、補助額の上限が最大250万まで引き上げることが可能です。

なお、上記の通りホームページやECサイト制作費を含むWeb関連費用は、経費の割合上限が25%となっていますので、注意が必要です。

②中小企業新事業進出補助金(全国対象)

中小企業新事業進出補助金は、既存の事業とは異なる、新事業・甲付加価値事業への進出にかかる設備投資等に加えて、広告宣伝・販売促進費も含めて補助対象として申請できる制度です。広告宣伝・販売促進費には「事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜き)の5%まで」という制限がありますが、ホームページやECサイト制作費用も経費に含めることが可能です。

中小企業新事業進出補助金の補助内容は、補助率は1/2で、補助額は従業員数によって上限が変わります。

従業員数補助金額
従業員数20人以下750万円~2,500万円(3,000万円)
従業員数21~50人750万円~4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人750万円~5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上750万円~7,000万円(9,000万円)

③IT導入補助金(全国対象)

IT導入補助金は、原則としてホームページの制作費用やECサイトの制作費用、システム費用は補助対象としてなりませんが、一部のMAツールなど、ランディングページやホームページを制作する機能を含むITツールが補助対象となっています。そのため、ネット広告等で集客を想定する事業の場合は、申請の候補として検討可能です。

IT導入補助金の補助内容は、補助率は1/2~4/5まで、補助額は最大で450万円と幅広く複数の条件に応じた制度が用意されています。

ヒロシ

お!これならうちの会社も対象になりそうっス!

ハカセ

さらに、東京都なら次の補助金制度が受けられる可能性があるのじゃ。

ホームページ・ECサイト制作で使える東京都の事業者が対象の補助金一覧

これまでは国の補助制度を紹介していましたが、都道府県単位での補助制度も存在しています。特に東京都は様々な補助制度が存在しており、申請のチャンスも多く用意されていますので、計画的に挑戦してみてください。

①創業助成金(東京都)

東京都内で創業予定者、もしくは創業5年未満の事業者が対象となる、創業者向けの支援制度です。例年、4月と10月の年2回募集されていますが、申請要件を満たすには事前の準備が必要なケースがあります。半年スパンで計画を立てて、支援機関に相談をしながら進めてください。

東京都の創業助成金は、補助額上限は400万円、補助率2/3となっています。広告費も補助対象の他、家賃や人件費まで補助対象となり得る非常に使い勝手のいい補助制度となっています。

②商店街起業・承継支援事業(東京都)

商店街起業・承継支援事業は、都内の商店街で出店・開業することを前提とした事業者に対する支援制度となっています。女性や若者の場合は、若手・女性リーダー応援プログラムという、より条件の良い補助制度もあります。年齢制限の他、商店街に対する期待される立ち位置の違い等もありますので、どちらが良いかを確認して進めましょう。

商店街起業・承継支援事業の助成限度額は最大694万円、助成率は2/3となっています。また、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の助成限度額は最大844万円、助成率は3/4となっています。

まとめ:補助金を使って賢くホームページや通販サイトを制作しよう

新規事業や新商品展開を実施するにあたって、ホームページを使って宣伝集客したり通販サイトで販売することは重要な販売戦略の一つになります。一方で、新規事業・新商品開発そのものにも多額の設備投資が必要になることもありますので、販売促進費までお金をかけられない!といったケースも生じることがあります。

補助金を申請して新規事業や新商品開発に取り組むことで、機械設備投資や建物工事費用、商品開発費に加えてホームページ・ECサイト制作費も補助対象とすることができます。ぜひ、支援制度を賢く利用して新事業の成功確率を高められるように進めてくださいね。

シャチョー

よし!わが社も新規事業を考える時期にきているので、せっかくだから補助金を申請して宣伝用のホームページもセットで検討していこう!

ハカセ

ふぉっふぉっふぉ。その意気じゃ。新規事業を進めるうえで有効な施策を使えれば、宣伝もしやすくなって成功確率もあがるじゃろうな。

高仲 秀寿のアバター 高仲 秀寿 中小企業診断士

TenCy株式会社 代表取締役 / 中小企業診断士
富士フイルム株式会社に約8年勤務し、システム開発・プロジェクトマネジメント等を経験。2016 年に中小企業診断士資格を取得し、独立。2020年現職のTenCy株式会社を設立し、代表に就任。以降、中小企業のホームページ制作やチラシ・グラフィックデザイン制作、システム開発導入支援、kintone運用支援等を実施。中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー。

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