
ECの話、わたしも仲間に入れてください。若手の意見も大切ですよ!うちの会社の商品って、パッケージとかメチャダサいですよね。



(そのデザイン考えたの、オレなんだけど…)



まあ確かに、インスタ映えしないしなあ…うちの商品。



やだぁ、カチョー!今どき「インスタ映え」なんて死語ですよー!



(おいおいサクラ、そこまで言うか…まあ、正直オレも思ってたけど)



やれやれ、みんなで知恵を絞って考えてみるかのう。
前回、EC(オンラインショップ)で成功するには「商材の3条件」がとっても重要!というお話をしました。
① 独自性がある 商材であること
② 客単価が高い 商材であること
③ リピートする 商材であること
これはECでも実店舗でも同じです。もし3条件を全て満たす商材をあなたがお持ちなら、99%以上は成功したようなもの。顧客も売上もドンドン増えていくこと間違いなし。あなたの未来は前途洋々、おめでとうございます!
しかし、そんな夢の商材を持つ事業者は、実際にはごく少数。そして、この3条件の中で最も重要なのが「①独自性がある商材」です。さて皆さんは、どうやって競合と戦い、消費者に選ばれ、そして売上利益を伸ばしていきますか?
世の中には、知恵と工夫で商品の独自性を高めた事例がたくさんあります。今回はそのような事例をいくつかご紹介します!
ドーナツがキャラに変身?ご当地ブランドとデザイン力で差別化!
最初にご紹介するのは、北海道の中標津に工場があるシレトコファクトリーです。新千歳空港にもショップがあり、商材はドーナツです。「あなたも恋するシレトコドーナツ」…素敵なキャッチコピーが、まず目に飛び込んできます。


出典:シレトコファクトリー
https://siretoco23.com/



きゃあ、めっちゃ可愛い!でも、ただのドーナツですよね?
はい、ただのドーナツです。でもこのドーナツは “売れるドーナツ” です。北海道・知床・中標津というご当地ブランドの訴求も秀逸ですが、ただのドーナツを売れるドーナツにした理由はもっとあります。


ベースはドーナツですが、アレンジ次第でシーンや季節に合った新商品をデザインできるのです。東京の上野でも限定販売していた時期があり、その時は「パンダ」でした。理由は…そう、上野動物園が近いから!です。上野動物園といえばパンダですよね。
SNSとの相性も良く、地域ブランドとデザインで「商品の独自性」を実現させた好例です。
将棋の駒をオーダーメイドにして、差別化と高単価を実現!
2つ目にご紹介するのは、将棋の駒で有名な天童市の事例です。将棋の駒といえば、皆さんは勝負や娯楽のイメージをお持ちでしょう。しかし、この将棋の駒をインテリアや記念品に進化させたのがこちらです。


出典:将棋駒とこけしの店 栄春堂
https://eishundo.web.fc2.com/ichiran.html
実は私、数年前にこのお店を伺ったことがあります!職人さんが一心不乱に字を掘っていたのが印象的でした。息子の受験合格を祈って、表に名前、裏に必勝の文字を掘っていただき、今でも彼の部屋に飾ってあります。



これは良いアイデアだな。出産祝やお得意様へのプレゼントにピッタリだし、もしかしたら越境ECで海外にも売れるんじゃない?
完全手作りのオーダーメイドで、納期に時間がかかっても、少し高くても、自分だけのオンリーワンがほしい…そんなコンセプトで商材の独自性を実現した、素晴らしいアイデアですね。
天童という伝統的工芸品のブランドを活かしていることもポイントです。東京や大阪ではダメで、天童で作るからこそ価値があるのです。商材の3原則を考える時は、商品だけに目を向けず、使える武器を徹底的に活かすことが重要です。
ちなみに越境ECでも、海外で売れる商品は「日本でしか手に入らない」「日本製だから価値がある」ことが重要です。海外のAmazonで買えるものを、わざわざ送料を払って日本から輸入しませんよね。ネットでも店舗でも、日本でも海外でも、商材の3条件の考え方はみな同じです。
レトロ感とご当地感で、一度は食べてみたくなるカレーを演出!
最後はカレーです。私は新潟出身ではないですが、新潟出身の友人に聞くと「ああ、バスセンターのカレー食べたい!」と言うほど有名なようです。佐渡に行った時に私も食べましたが、小学校の給食のカレーを思い出す、懐かしい味でした。なるほど…これはタダのカレーはないな、と感じました。





日本人ならカレーは大好きッスね!Amazonで売ってたから、ポチってみようかな?
ノスタルジックな黄色いルー
サラッとした黄色いカレーは、一口目からスパイシーでパンチのある味。見た目は素朴ですが、独特の香りと後を引く辛さがクセになります。
立ち食いグルメのロマン
バスを待つわずかな時間で食べられるスピード感。昔から出張のサラリーマンや学生に「手軽で腹いっぱいになる」と支持されてきました。
地元愛と観光の定番
地元メディアやSNSでたびたび話題に。今では「新潟に行ったら絶対食べるべきグルメ」として全国に広まり、休日は行列ができるほど。
レトルト・お土産化で全国区へ
人気に火がつき、レトルトカレーやレシピ本まで登場。「あの味を家でも」と県外ファンを取り込み、ブームを後押ししました。
…なるほど。味が美味しいのはもちろんですが、個人的にはこの昭和のレトロ感が「商材の独自性」を演出していると考えます。高級ホテルのカレーではなく、バスセンターのカレーじゃないとダメなんです。
「わざわざ送料を払っても、少しくらい高くても、新潟県民じゃないけど、今すぐ買って食べてみたい」という気持ちにさせることは、カレーだって出来るんですね。シレトコドーナツの「あなたも恋する シレトコドーナツ」、バスセンターの「昔懐かし 黄色いカレー」のように、商品のキャッチコピーも商材の独自性をPRするために重要です。



ウチの商品が全然イケてないワケが、少しわかりました!今は何でもネットで買えるから「選んでもらう理由」を考えるのが重要ですね。



おっほっほ、まさにその通り。商売の究極のゴールじゃよ。



(でもシャチョー、サクラに “パッケージがダサい” とダメ出しされて、凹んでるんだろうな…笑)



(シャチョー、見た目は派手だけど意外にメンタル弱いからな… 笑)



おし!じゃあ「商材の独自性」を実現するプロジェクトはサクラちゃんにリーダーを任せた!オレじゃ、センスないからな。



えっ!自分がリーダーですか?わたし、何かお気にさわるようなこと言いましたっけ…。