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紙もFAXもサヨナラ!現場が変わるBtoBオンライン化戦略

ヒロシ

カチョー、またFAX詰まりましたー!!

カチョー

またか…昨日も直したばっかりだぞ?

サクラ

紙、まだこんなに使うんですね。今、令和ですよ?

カチョー

そう言うけどな、取引先が「FAXが一番確実」って言うんだよ。

目次

現場が抱えるBtoBの「あるある課題」

BtoB取引(企業間取引)は、見積・発注・請求・納品確認など、多くの手続きを伴います。いまだにこれらの業務を紙やFAX、電話で行っている企業も少なくありません。

実際、現場ではこのような非効率な声が聞かれます。

  • 「注文はFAXで送ってくださいと言われる」
  • 「取引先ごとに金額や条件が違ってExcel管理が大変」
  • 「見積書を毎回手で作って送っている」
  • 「電話やメールで在庫確認されて作業が止まる」

こうした作業に追われて、本来やるべき仕事がおろそかになってしまうこともありますよね。そんな中、デジタル化の波がBtoBの世界にも広がり取引をオンライン化している企業がどんどん増えています。では、この取引のオンライン化によって、企業はどんな良い効果を得られるのでしょうか?

BtoB取引をオンライン化することで得られる5つのメリット

1.業務コストの削減と処理スピードの向上

オンライン化の最も大きな効果は、事務作業の効率化です。紙の伝票を手で入力したり、FAXの送受信を確認したりといったアナログな作業を減らすことで、担当者の負担を軽くできます。さらに、見積もりや受発注、請求書の発行なども自動化できるので、処理のスピードがぐんと上がります。これにより、営業や購買の担当者は、より付加価値の高い仕事に集中できるようになります。

2.ミスの減少と品質向上

電話でのやり取りだと、ちょっとした聞き間違いが大きなミスにつながることもありますよね。しかし、オンラインシステムを使えば、取引情報が一元化されて自動化されるので、入力ミスや重複発注、請求漏れなどの人為的なエラーがぐっと減ります。正確なデータに基づいて受注や出荷ができるので、誤った納品やトラブルも少なくなり、取引の品質も向上します。

3.キャッシュフローの改善と経営安定化

請求や支払いを電子化することで、入金までの時間を短くでき、資金繰りが安定します。電子請求書やオンライン決済を取り入れると、請求の発行や入金確認をスムーズに行えるため、売掛金の回収漏れを防げます。さらに、取引データが自動で記録されることで、月次の決算もより正確になり、経営状況をリアルタイムに把握できるようになります。これは、中小企業にとって大きな安心材料です。

4.顧客満足度と信頼関係の向上

BtoB取引のオンライン化は、取引先にとっての利便性向上にもつながります。専用のポータルサイトや発注管理システムを導入すれば、取引先は発注履歴や納期、請求書などを自社のタイミングで確認できます。これにより、問い合わせや確認作業の手間が減り、双方にとってスムーズな取引が実現します。「使いやすく、信頼できる取引先」としての印象が強まり、長く良い関係を築いていくことにもつながります。

5.データ活用による経営判断の高度化

取引をオンライン化することで、すべての取引データが蓄積されるようになります。例えば、「どの商品がいつ、どんな顧客に売れているのか」や、「どの取引先が一番利益をもたらしているのか」などです。こうした情報をじっくり分析することで、在庫の管理をもっと効率的にしたり、営業戦略を見直したりできるようになります。感覚だけに頼るのではなく、「数字」に基づいて意思決定をすることが、会社の持続的な成長を支えるカギとなります。

シャチョー

聞けば聞くほど…メリットしかないじゃないか!カチョー、今すぐ始めてくれ!

カチョー

えっ、い、今すぐって…そんな簡単にできるもんじゃ…!

ハカセ

大丈夫じゃ安心せい、段階を踏んで導入していけばいいのじゃ。

オンライン化を成功させるための3つのステップ

STEP1:現状業務の棚卸し

まずは、今やっている仕事の流れをじっくり振り返ることから始めましょう。どこか無駄な部分や、情報の共有がうまくいっていないところはないかを確認します。一度現場の流れを紙に書き出してみると、どこに問題があるのか見えてきますし、「何をシステム化すればいいか」が見えてきます。この棚卸しを丁寧に行うほど、その後の作業もスムーズに進みやすくなります。

STEP2:自社に合ったシステムの選定

いきなり大きなERP(企業のさまざまな業務を一元管理するためのシステム)を導入するのではなく、まずは発注管理や見積もり管理など、部分的に導入できるクラウドサービスから始めるのも有効です。重要なのは「自社の業務フローに合わせられる柔軟性」「現場担当者が使いやすいUI(操作画面)」です。高機能であっても、現場が使いこなせなければ良さが活かせません。

STEP3:社内への浸透を意識する

ツールを入れるだけでは定着しません。現場の声を聞きながら、操作の仕方や運用のルールを整えていくことが大切です。とくに現場では「今まで通りのほうが楽」という心理的抵抗が起こりがちです。導入の目的や期待される効果を共有し、「なぜこれをやるのか」を理解してもらうことが成功のポイントです。

データが証明する「オンライン化の効果」

GMOメイクショップの導入企業データによると、BtoB取引をEC化した企業の平均月商は、未導入企業の約2.6倍にも上ります。

導入可否ショップ数1店舗当たりの月商
導入中ショップ約1900店舗約460万円
未導入ショップ約1万店舗約170万円

これは単なる売上の差ではなく、オンライン化によって 仕事の効率が上がり、お客様の満足度も高まり、新しい商談のチャンスが広がった ― そんな好循環が生まれている証拠です。

とはいえ取引はたくさんの相手がある話。どうすればよいの?

BtoB取引をオンライン化すれば、発注側も受注側もメリットが大きいことは説明した通りです。しかし実際は、それぞれの会社に固定化されたワークフローやフォーマットがあり、それをひとつに集約するのは至難の業。中小企業の取引であれば尚更ですし、得意先に一方的なリクエストをお願いするのは難しいですね。

そこで大切なのは、既存のお客様は時間をかけてオンラインに移行していくことです。さらに、FAXやメールをAIで読み込んでデータ変換するサービスもあります。100%のオンライン化ではなく、例外を少しずつ減らしていく根気強い取り組みが必要です。

BtoB取引のオンライン化に有効なシステムやサービスは、次回以降の記事で紹介していきます!

まとめ:オンライン化は「効率化」から「戦略化」へ

BtoB取引のオンライン化は、単なる業務効率化にとどまりません。データを活用して顧客ニーズを分析し、営業戦略や仕入れ戦略を練る――これこそが、次の時代の競争力です。今や「人手不足だからデジタル化」ではなく、「成長のためにデジタル化」が求められる時代。BtoBオンライン化は、企業の未来を切り開く重要な一歩です。

ヒロシ

「効率化」ってだけじゃないんスね!データを活かせば、次の手も見えてきますね!

ハカセ

そうじゃ。もはや「作業を減らす」だけのオンライン化ではない。「どう成長するか」を考えるためのオンライン化なんじゃ。

シャチョー

うむ、時間もムダも減って、さらに戦略まで立てられるとは…まさに一石三鳥じゃないか!

サクラ

じゃあ、まずはFAXの電源、切りますね。

カチョー

ちょ、ちょっと待てサクラ!まだ請求書送ってないー!!

大森良夫のアバター 大森良夫 中小企業診断士

ネットビジネス・テクノロジー(株)代表取締役 / 中小企業診断士
ヤフー株式会社に13年勤務し、システム開発・サービス企画・広告営業・事業戦略などネットビジネスの大半の職種を経験。2016 年に独立後は、ECを中心に多業種のWEB システム開発・マーケティング支援に携わり、近年は越境ECに注力している。中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー。

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